レポート
2024.5.7(火) 公開
DALL-E 3の完全ガイド:無料と有料のアクセス、使い方、編集機能まで
1. はじめに
1.1 DALL-E 3の概要と技術的背景
DALL-E 3は、OpenAIによって開発された最先端の画像生成AIです。このシステムは、テキストの説明から高品質な画像を生成する能力を持ち、前モデルのDALL-E 2よりも大幅に進化しています。DALL-E 3は、更に詳細な画像を生成できるように設計されており、複雑なシナリオや細部までリアルに描写する能力が特徴です。この技術は、自然言語処理と画像認識技術の組み合わせによって実現されており、クリエイティブな業界だけでなく、教育や研究など多岐にわたる分野での応用が期待されています。
2. アクセス方法
2.1 無料でのアクセス
DALL-E 3は、Microsoft Bingの画像作成ツールを通じて無料で利用できます。ユーザーはMicrosoftアカウントでサインインすることにより、基本的な画像生成機能にアクセス可能です。また、ChatGPTの無料版では、制限付きですがDALL-E 3を使用して基本的な画像を生成することができます。この無料アクセスは、基本的な機能のみ利用可能であり、解像度や生成オプションに制限があります。
2.2 有料サービスとその特典
ChatGPT PlusまたはEnterpriseプランを通じてDALL-E 3にアクセスすると、より高解像度の画像生成、カスタマイズされた画像の要求、頻繁な利用が可能になります。これにより、ビジネスやプロフェッショナルなクリエイティブプロジェクトに適した高度な機能が利用できます。また、APIアクセスを通じて、開発者や大規模な自動化されたシステム内でDALL-E 3を利用することができます。
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表1 DALL-E3のアクセスの違いによる各種比較(米ドル)
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表2 DALL-E3のAPIアクセス時の参考価格比較3. 基本的な使い方
3.1 プロンプティングの基礎
DALL-E 3で画像を生成する基本は、適切なプロンプトの作成にあります。プロンプトとは、画像生成AIに対して、どのような画像を作成してほしいかを説明するテキストです。このテキストは具体的かつ詳細に書くことが推奨されており、画像の内容、スタイル、色調、雰囲気などを明確に指定します。良いプロンプトは、求める画像の品質と精度を向上させる重要な鍵となります。
3.2 実践的な使用例
例えば、「夕焼けの空の下で読書する若い女性のイラスト」や「未来都市の鳥瞰図」といったプロンプトは、DALL-E3を使用して具体的なシナリオの画像を生成する際に有効です。実際にこのようなプロンプトを使って画像を生成することで、AIはユーザーの意図に応じた具体的なビジュアルを提供します。これらのプロンプトを基に、様々なクリエイティブなプロジェクトやプレゼンテーション資料、教育資料などに活用することが可能です。
図1 DALL-E3イメージ例「夕焼けの空の下で読書する若い女性のイラスト」 図2 DALL-E3イメージ例「未来都市の鳥瞰図」画像生成におけるプロンプティングは、これまで、英語主体で細かく条件を入れる方法が主流となっていましたが、現在の画像生成では、入力されたプロンプトから、自然言語処理技術を活用して、自動で必要な画像生成プロンプトを作成した上で画像生成が行われています。その詳細は、作成した画像から確認することができます。また、詳細な修正を加えるには、この画像生成に活用された英語のプロンプトを直接調整すると、より思い通りの制御が可能となっています。
図3 実際に画像生成に使用されたプロンプトの確認4. 応用利用方法
4.1 クリエイティブなプロジェクトへの応用
DALL-E 3は、アート作品の生成、キャラクターデザイン、コンセプトアートなど、多岐にわたるクリエイティブなプロジェクトに応用できます。例えば、小説の表紙イラストや、映画やビデオゲームのプリビジュアライゼーションを生成するために使用され、具体的なアイデアを視覚化する手助けとなります。
4.2 ビジネスや教育での利用例
ビジネスでは、マーケティング資料やプレゼンテーションのビジュアルを強化するためにDALL-E 3が活用されます。教育分野では、教材のイラストレーションや、生徒の創造力を刺激するアクティビティに利用されることがあります。これにより、視覚的な学習ツールとしての価値を提供し、学習体験を豊かにします。
5. 編集機能の詳細
5.1 画像のカスタマイズ方法
DALL-E 3の最新の編集機能では、ユーザーは生成された画像に対して様々なカスタマイズを施すことができます。具体的には、画像の色調整、スタイルの変更、および要素の追加や削除が可能です。これにより、個々のニーズに応じた具体的かつ創造的な画像を作成することが容易になります。
5.2 特定の部分の編集技術
特に「インペインティング」機能を用いることで、既存の画像の特定の部分だけを選択して編集することが可能です。これにより、画像の一部を自然に置き換えたり、背景を変更することなく前景のみを調整することができます。この技術は、細部にわたる修正が求められるプロフェッショナルな用途に特に有効です。以下に、「インペインティング」による編集方法を示します。
1) 生成した画像を選択して、「Select」ボタンをクリック
図4 インペインティング操作1 (画像の選択)2) 変更したい領域のマーキング
今回は、背景を変更することとし、背景部分を塗りつぶします。
3) 変更内容を指示
図6 インペインティング操作3 (変更内容を指示)4) 生成した画像を確認する
図7 インペインティング操作4 (出力画像の確認)6. まとめ
DALL-E 3は画像生成技術において画期的な進歩をもたらし、クリエイティブな産業だけでなく、教育、研究、ビジネス分野においてもその利用が期待されています。将来的には、さらに高度な自然言語理解と画像処理技術の統合により、より精密でリアリスティックな生成が可能になると見込まれます。また、AIの倫理的な使用に関するガイドラインの強化とともに、これらの技術の安全で責任ある利用が推進されるでしょう。
参考文献:
• OpenAI公式サイト - DALL-E 3の基本情報と技術詳細
• ITmediaニュース – DALL-E 3の編集機能に関する記事
• A Comprehensive Guide to the DALL-E 3 API
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