レポート
2025.03.28(金) 公開
ChatGPTの最新モデルGPT-4.5とは?機能・性能・活用方法を徹底解説!

1. ChatGPT GPT-4.5とは?
1.1 GPT-4.5の概要
OpenAIは、大規模言語モデル「GPT-4.5」を2025年2月28日にリリースしました。開発元のOpenAIは、GPT-4.5を「これまでで最大かつ最高の会話用モデル」と表現し、幅広い知識ベースと自然な対話能力を備えている点を強調しています。CEOのSam Altman氏もGPT-4.5を「巨大で高価なモデル」と述べており、その規模と性能の高さが伺えます。
GPT-4.5は当初、研究プレビュー版として、ChatGPTの有料プランであるProユーザー向けに公開されました。OpenAIは、GPU不足の解消に努めながら、Plus、Team、Enterprise、Eduといった他の有料プランユーザーにも順次提供していく予定です。
1.2 GPT-4との違い
GPT-4.5は、従来のGPT-4oとは異なる学習方法を採用しています。GPT-4oを含むOpenAIのoシリーズモデル (o1, o3-miniなど) は、「Chain-of-Thought Reasoning (CoT)」と呼ばれる推論手法を用いています。CoTは、人間が数学の問題を解く際に計算過程を段階的に書き出すように、複雑な問題をステップごとに分解して解決する手法です。この構造化されたアプローチは、論理的推論、複数ステップでの問題解決、詳細な説明に役立ちます。
一方、GPT-4.5はCoTを採用せず、教師なし学習に特化しています。これは、OpenAIがAI開発において重視する2つのアプローチ、「教師なし学習」と「推論」のうち、「教師なし学習」をさらに推し進めたものと言えます。GPT-4.5は、大量のデータから言語の直感とパターン認識を学習し、明示的に問題をステップに分解することなく、これまでの経験から即座に回答を生成します。
この違いにより、GPT-4.5は、より自然で流暢な会話を行い、感情的なニュアンスを理解することが得意となっています。いわば、高い「EQ」を備えていると言えるでしょう。しかし、その一方で、複雑な論理問題を解いたり、段階的な論理展開を必要とする問題を解く能力は、CoTを用いるモデルに比べて劣るという側面もあります。
1.3 GPT-4.5の進化ポイント
GPT-4.5は、GPT-4oと比較して以下の点が進化しています。
- 計算効率の向上:
GPT-4.5は、GPT-4oと比較して10倍以上の計算効率を実現しています。これにより、複雑なタスクをより高速に、より低コストで処理することが可能になります。
- 自然な会話能力の向上:
GPT-4.5は、より自然で人間らしい会話を行うことができます。感情的なニュアンスを理解し、適切な口調で応答することができるため、ユーザーはより快適なコミュニケーション体験を得られます。例えば、ユーザーが「ああ、また上司からメールだ…」と落胆した様子で発言した場合、GPT-4.5は、その感情を汲み取って「大変でしたね。何か私にできることはありますか?」といった共感的な返答を返すことができます。
- 世界知識の向上:
GPT-4.5は、GPT-4oよりも広範な知識ベースを備えています。これにより、より正確で関連性の高い情報を提供することができます。
- ハルシネーション率の低下:
GPT-4.5は、事実に基づかない情報を生成してしまう「ハルシネーション」の発生率が、GPT-4oと比較して大幅に減少しています。初期のテストでは、GPT-4.5のハルシネーション率は約37%で、GPT-4oの約60%から大幅に改善されています。
1.4 価格
GPT-4.5は、API経由でアクセスする場合、GPT-4oと比較して約15~20倍のコストがかかるとされています。これは、GPT-4.5が巨大なモデルであり、より多くの計算リソースを必要とするためです。
2. GPT-4.5の機能と性能
GPT-4.5は、以下の機能を備えています。
- 文章生成:
創造的な文章、物語、詩、台本、音楽作品などを生成することができます。
- 翻訳:
高精度な翻訳を提供することができます。
- 質問応答:
質問に対して、正確で詳細な回答を提供することができます。
- 要約:
長文のテキストを要約することができます。
- 対話:
ユーザーと自然な会話を行うことができます。
- コーディング:
プログラムコードを生成したり、デバッグしたりすることができます。
- 画像入力:
画像を入力として受け取り、画像の内容を理解することができます。
- 画像生成:
インラインSVG画像を生成したり、DALL-Eと連携して画像を生成したりすることができます。

3. GPT-4.5の活用方法
GPT-4.5は、その優れた機能と性能から、様々な分野で活用が期待されています。
- 文章作成支援:
GPT-4.5は、文章作成の際に、アイデアの提案、文章の校正、表現の改善などを支援することができます。例えば、ライターがスランプに陥った際に、別の言い回しを提案したり、異なるストーリー展開を生成したりすることで、執筆をサポートすることができます。
- コミュニケーション支援:
GPT-4.5は、チャットボットやバーチャルアシスタントとして、ユーザーとのコミュニケーションを支援することができます。顧客からの問い合わせに自動応答したり、ユーザーの質問に答えて必要な情報を提供したりすることができます。
- 学習支援:
GPT-4.5は、学習教材の作成、個別指導、質問応答など、学習を支援することができます。生徒一人ひとりのレベルに合わせた学習プランを作成したり、苦手な部分を重点的に指導したりすることができます。
- ビジネス:
GPT-4.5は、顧客対応、マーケティング、営業など、ビジネスの様々な場面で活用することができます。顧客対応の自動化、マーケティングコンテンツの作成、営業活動の効率化などに貢献することができます。
4. GPT-4.5を利用する際の注意点
GPT-4.5は非常に強力なツールですが、利用する際には以下の点に注意する必要があります。
- 倫理的な問題:
GPT-4.5は、差別的な発言や偏見を含む情報を生成する可能性があります。倫理的な観点から、出力された情報を確認し、必要があれば修正することが重要です。
- 情報の正確性:
GPT-4.5は、常に正確な情報を生成するとは限りません。出力された情報は、他の資料や情報源と照らし合わせて確認することが重要です。
- 個人情報の取り扱い:
GPT-4.5に個人情報を入力する際は、プライバシーの保護に十分注意する必要があります。
- 過剰な拒否反応:
GPT-4.5は、特に微妙な問題や議論の余地のあるトピックについて、質問を拒否する傾向があります。これは、倫理的な問題や誤情報の生成を防ぐための対策ですが、場合によってはユーザーの期待に応えられない可能性があります。
- 説得力:
GPT-4.5は、OpenAIのMakeMePayテストにおいて、非常に高い説得力を示しました。これは、GPT-4.5が人間を巧みに説得できる可能性を示唆しており、悪用されるリスクも懸念されます。

5. GPT-4.5の将来展望
GPT-4.5は、まだ研究プレビュー段階ですが、その優れた機能と性能から、今後様々な分野で活用が進むことが期待されています。特に、自然な会話能力は、AIと人間のコミュニケーションをより円滑にし、AIがより人間のパートナーに近い存在になる可能性を秘めています。
6. まとめ
GPT-4.5は、OpenAIが開発した最新の大規模言語モデルです。GPT-4oと比較して、計算効率、自然な会話能力、世界知識、ハルシネーション率の低下など、様々な点が進化しています。GPT-4.5は、文章作成、翻訳、質問応答、要約、対話、コーディングなど、様々な機能を備えており、ビジネス、教育、医療など、幅広い分野での活用が期待されています。
しかし、GPT-4.5は万能ではありません。倫理的な問題、情報の正確性、個人情報の取り扱い、過剰な拒否反応、説得力など、注意すべき点もいくつかあります。これらの点を理解した上で、GPT-4.5を適切に活用することが重要です。
GPT-4.5は、AIがより人間らしく、より自然にコミュニケーションできる方向へと進化していることを示すモデルと言えるでしょう。今後、AI技術がさらに進歩していく中で、GPT-4.5のようなモデルが、人間とAIの共存を促進する上で重要な役割を果たしていくことが期待されます。
7. 参考文献
ChatGPT 4.5: Features, Access, GPT-4o Comparison & More - DataCamp
ChatGPT 4.5 — 5 big upgrades you need to know - Tom's Guide
GPT 4.5 is here: Better, but not the best - Vellum AI
5 Real-World Use Cases of ChatGPT-4.5 That Save Time & Money - Latenode
GPT-4.5 Multimodal and Vision Analysis - Roboflow Blog
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