レポート

2025.06.02(月) 公開

GPT-4oの画像生成機能徹底解説
使い方から活用事例まで

レポート NOB DATA株式会社

1. はじめに

OpenAIが発表した最新のフラッグシップモデル「GPT-4o」は、テキスト、音声、画像を統合的に扱えるマルチモーダルAIとして大きな注目を集めています。 特に、その高度な画像生成能力は、クリエイティブな表現から実用的なタスクまで、幅広い可能性を秘めています。この機能は、従来の画像生成AIと比較しても、より直感的で高品質な画像を生成できる点が特徴です。

この記事では、GPT-4oの画像生成機能に焦点を当て、その概要、基本的な使い方、そしてユーザーがどのようにこの技術を活用しているのか、具体的な事例を交えながら詳しく解説します。SNSでの利用からビジネスシーンでの応用まで、GPT-4oがもたらす新たな画像生成の世界を探求し、読者の皆様がこの機能を最大限に活用するためのヒントを提供します。AIによる画像生成に関心のある方、特に日本での活用方法を知りたい方にとって、必読の内容となっています。

2. OpenAI GPT-4oの画像生成機能とは?

2025年3月にアップデートされたGPT-4oの画像生成機能(4o Image Generation)は、単なる追加機能ではなく、モデルのコア能力として統合されています。その背景にある技術と特徴を理解することが、効果的な活用の第一歩となります。

2.1 GPT-4oモデルの概要と特徴

GPT-4o("o"はomni=全能を意味する)は、OpenAIが開発した最先端のマルチモーダルAIモデルです。テキスト、音声、視覚(画像)情報をシームレスに理解し、生成する能力を持ちます。従来のモデルと比較して、応答速度が大幅に向上し、API利用コストも削減されている点が大きな特徴です。

このモデルは、多くのユーザーにとって身近なインターフェースであるChatGPTに統合されており、特別なツールなしに高度なAI機能を利用できます。この統合により、ユーザーは自然な対話を通じて、テキストだけでなく、画像を含む多様なコンテンツを生成・操作できるようになりました。

2.2 画像生成機能の技術的進化

GPT-4oにおける画像生成は、OpenAIの画像生成技術「DALL-E」シリーズの進化形と位置づけられますが、単なるアップデートに留まりません 。GPT-4oでは、画像生成能力がモデルの根幹部分により深く統合されており、テキストプロンプト(指示文)のニュアンスをより正確に理解し、指示に忠実な画像を生成する能力が向上しています。特に、画像内に自然なテキストを描画する能力や、従来苦手とされてきた人間の手などの細部描写の精度が改善されている点は注目に値します。これは、モデルが言語と視覚情報をより密接に関連付けて処理できるようになった結果と考えられます。

2.3 従来のモデル(DALL-E 3など)との比較

GPT-4oの画像生成と、従来のDALL-E 3(例えばChatGPT Plusや専用インターフェースで提供されていたもの)との主な違いは、その統合性とインタラクティブ性にあります。GPT-4oでは、ChatGPTの対話の流れの中で、よりシームレスに画像生成を指示し、生成された画像についてさらに質問したり、修正を加えたりすることが可能です。例えば、「この画像をもう少し暗くして」「このキャラクターにメガネを追加して」といった自然言語での指示による反復的な編集が、よりスムーズに行える可能性があります。

また、GPT-4oは無料ユーザーにも段階的に展開される計画があり、より多くの人々が高品質な画像生成機能にアクセスできるようになる可能性があります 。これは、従来は有料プランのユーザーが主な対象であったDALL-E 3と比較して、アクセシビリティの面で大きな前進と言えます. さらに、GPT-4o自体の処理速度の向上は、画像生成の待ち時間短縮にも寄与すると期待されます 。このように、GPT-4oは単に画像を生成するだけでなく、対話を通じて画像を「作り上げていく」体験を提供し、より多くのユーザーにとって利用しやすい環境を実現しています。

3. GPT-4oで画像を生成する方法

GPT-4oの強力な画像生成機能を実際に利用するための手順と、より良い結果を得るためのコツを見ていきましょう。

3.1 利用可能なインターフェース

GPT-4oの画像生成機能を利用する主な方法は、OpenAIが提供する対話型AIサービス「ChatGPT」です 。Webブラウザ版およびスマートフォンアプリ版のChatGPT内で、特別なモード切り替えなしに、テキストで指示するだけで画像を生成できます。※有料版ではモデル切り替えが存在します。

アクセス権については注意が必要です。GPT-4oの機能は、有料プラン(ChatGPT Plusなど)のユーザーに優先的に提供され、無料ユーザーにも順次展開される予定ですが、利用回数には制限が設けられる可能性があります。最新の提供状況や利用制限については、OpenAIの公式発表を確認することをお勧めします。

開発者向けには、APIを通じたアクセスも提供されており、これにより外部アプリケーションやサービスにGPT-4oの画像生成機能を組み込むことが可能になります。

3.2 基本的な使い方:プロンプト入力のコツ

GPT-4oでの画像生成は非常に直感的です。ChatGPTのチャット入力欄に、生成したい画像の内容を説明するテキスト(プロンプト)を入力するだけです。例えば、「夕暮れ時のビーチを歩く柴犬の写真」のように、自然な日本語で指示できます。

レポート NOB DATA株式会社 レポート NOB DATA株式会社 図1. 画像生成サンプル1

より質の高い、意図した通りの画像を得るためには、プロンプトに以下の要素を含めることが有効です。

  • 主題: 何を描いてほしいか(例:猫、未来都市、ラーメン)

  • 詳細: 主題に関する具体的な特徴(例:白い毛のペルシャ猫、ネオン輝く高層ビル群、豚骨醤油ラーメン)

  • スタイル: 画像の雰囲気や画風(例:写真風、水彩画風、アニメ風、サイバーパンク風)

  • 構図や背景: 全体の構成や背景要素(例:クローズアップ、広角レンズで撮影したような、桜並木を背景に)

  • 雰囲気や感情: 画像が持つべきムード(例:穏やかな、活気のある、神秘的な)

GPT-4oは対話能力が高いため、最初の生成結果が意図と異なる場合でも、「もっと明るくして」「キャラクターの髪の色を青に変えて」のように、追加の指示を与えることで画像を修正していくことが可能です。

レポート NOB DATA株式会社 レポート NOB DATA株式会社 図2. 画像生成サンプル2

3.3 高度なテクニック:パラメータ調整とスタイル指定

基本的なプロンプト入力に加えて、いくつかのテクニックを使うことで、より細かな制御が可能になります。

  • アスペクト比の指定: 生成する画像の縦横比を指定できます。例えば、「16:9の横長画像で」「正方形の画像(1:1)で」といった指示をプロンプトに含めることで、ブログのアイキャッチやSNSのプロフィール画像など、用途に合わせたサイズの画像を生成できます。

    レポート NOB DATA株式会社 レポート NOB DATA株式会社 図3. 画像生成サンプル3
  • 詳細なスタイル指定: 単に「アニメ風」とするだけでなく、「90年代のセル画アニメ風」「厚塗りイラスト風」「浮世絵風」のように、具体的なスタイルや技法を指定することで、より狙った表現に近づけることができます。特定の画家の名前を挙げて「〜風に」と指示することも可能ですが、著作権には配慮が必要です。

    レポート NOB DATA株式会社 レポート NOB DATA株式会社 図4. 画像生成サンプル4
  • 反復的な編集と改善: GPT-4oの対話能力を活用し、生成された画像に対して具体的な修正指示を繰り返すことで、段階的に理想のイメージに近づけていくことができます。これは、一度のプロンプトで完璧を目指すよりも、効率的な場合があります。

4. 日本におけるGPT-4o画像生成の活用事例

GPT-4oの画像生成機能は、日本国内のユーザーによって、すでに様々な形で活用され始めています。ここでは、特に注目される使い方をいくつか紹介します。

4.1 SNSでの活用:アイコン、ヘッダー、投稿画像

日本において、GPT-4oの画像生成機能が特に活発に利用されているのがSNSの領域です。X(旧Twitter)、Instagram、TikTokなどのプラットフォームで、ユーザーは自分だけのオリジナルなプロフィール画像(アイコン)やヘッダー画像を生成しています。

特に人気が高いのは、アニメや漫画のキャラクター風のイラスト(いわゆる「AIイラスト」)の作成です。自分の好みや個性を反映した、世界に一つだけのキャラクター画像を簡単に作れる点が、多くのユーザーを惹きつけています。生成された画像は、「#AIイラスト」や「#GPT4o画像生成」といったハッシュタグと共に共有され、コミュニティ内での交流や情報交換も活発に行われています。この背景には、デジタル空間における独自のアイデンティティや視覚的な自己表現への強い欲求があり、GPT-4oがそのニーズを手軽に満たすツールとして受け入れられている状況がうかがえます。

4.2 ブログアイキャッチや資料作成への応用

SNSでの個人的な利用に加え、ブログ運営者やコンテンツクリエイター、ビジネスパーソンによる実用的な活用も広がっています。具体的には、ブログ記事やYouTube動画のサムネイル(アイキャッチ画像)の生成、プレゼンテーション資料やレポートに挿入するカスタムイラストの作成などが挙げられます。

従来、こうした用途ではフリー素材サイトのストックフォトが利用されることが一般的でしたが、内容に完全に合致する画像が見つからなかったり、他のサイトと似たような印象になったりする課題がありました。一方で、プロのデザイナーにカスタム画像を依頼するのは、特に個人や小規模な事業者にとってはコストや時間の面で負担が大きいものでした。

GPT-4oの登場により、特定のテーマや内容に合わせたユニークな画像を、迅速かつ低コスト(あるいは無料プランの範囲内)で生成することが可能になりました。例えば、「SEO対策について解説するブログ記事のための、本を読んでいる可愛い柴犬のイラスト」といった具体的な要求に応じた画像を瞬時に得られます。これは、視覚的なコンテンツ作成のハードルを大きく下げ、個人や中小規模の事業者でも、よりオリジナリティが高く魅力的な情報発信を行うことを可能にしています。結果として、オンラインコンテンツ全体の質の向上にも繋がる可能性があります。

4.3 日本特有のテーマやスタイルの探求

日本のユーザーは、GPT-4oを用いて、日本の文化や美意識に関連するテーマやスタイルを探求する試みも行っています。単なる「アニメ風」にとどまらず、特定の年代やジャンルのアニメ・漫画スタイルを再現しようとしたり、浮世絵や墨絵といった日本の伝統的な画風を取り入れたりする実験が見られます。

また、日本の有名なランドマーク(東京タワー、浅草寺など)、季節の風物詩(桜、紅葉、祭り)、日本食(寿司、ラーメン)、あるいは「カワイイ」文化を象徴するようなキャラクターやアイテムなど、日本ならではのモチーフを生成する試みもSNSなどで共有されています。これらは、AIという新しいツールを使って、自国の文化や美意識を再発見し、表現する動きとして興味深いものです。

4.4 【事例紹介】日本のユーザーによる生成例とプロンプト

実際に日本のユーザーがGPT-4oでどのような画像を生成し、どのようなプロンプトを使用しているのか、具体的な例を見てみましょう。以下に示す表は、SNS、実用的な応用、文化的テーマといった異なる用途での生成例とそのプロンプトの要点、そして簡単なヒントをまとめたものです。これらの実例は、抽象的な説明だけでは伝わりにくい、具体的な活用方法を理解する上で役立ちます。成功事例を見ることで、ユーザーは自身のアイデアを実現するためのヒントを得やすくなります。

活用例
生成画像の概要説明
プロンプトの主要要素(例)
ポイント・ヒント
SNS用アニメ風アイコン
銀髪で青い瞳の少女が未来的なヘッドセットを装着している。背景は鮮やかなサイバーパンク風の都市。アニメアートスタイル。
「銀髪青目の少女、未来的なヘッドセット、鮮やかなサイバーパンク都市背景、アニメ風、高品質」
「アニメ風」だけでなく、髪の色、目の色、服装、背景など、具体的な特徴を指定すると意図に近いキャラが生成されやすい。
ブログ記事のアイキャッチ画像
ノートパソコンを開いて作業している人物を肩越しに捉えた、明るくモダンなカフェの風景。ソフトフォーカス。写真風。16:9比率。
「モダンなカフェ、ノートパソコンで作業する人(後ろ姿)、明るい自然光、ソフトフォーカス、写真、16:9」
用途(アイキャッチ)に合わせて「16:9」のようにアスペクト比を指定。雰囲気を伝えるキーワード(明るい、モダン、ソフトフォーカス)が有効。
日本の風景:桜と古都
満開の桜並木の下、古い木造の寺院が佇む風景。穏やかな春の日差し。水彩画風。
「満開の桜並木、古い木造の寺院、京都風、穏やかな春の日差し、水彩画スタイル」
「京都風」のような地名や、「水彩画スタイル」のような具体的な画風を指定することで、日本的な情緒や特定の雰囲気を表現しやすくなる。
プレゼン資料用イラスト
電球のアイデアアイコンを囲んで協力し合う、多様な人々のシンプルなフラットデザインイラスト。白背景。
「アイデア(電球アイコン)、周りで協力する多様な人々、フラットデザインイラスト、シンプル、白背景」
資料のテイストに合わせて「フラットデザイン」「シンプル」「白背景」などを指定。抽象的な概念も視覚化しやすい。
オリジナルキャラクター(妖怪モチーフ)
キツネの耳と尻尾を持つ、着物姿の少年。手には提灯を持っている。背景は夜の竹林。少し神秘的な雰囲気。イラスト風。
「キツネの耳と尻尾、着物姿の少年、提灯を持つ、夜の竹林、神秘的な雰囲気、イラストレーション」
日本の伝承(妖怪)などをモチーフにする場合、その特徴(キツネ耳、着物、提灯)と雰囲気を具体的に記述する。

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表:GPT-4o画像生成 活用事例とプロンプト例

この表は、GPT-4oの多様な可能性を示すと同時に、効果的なプロンプト作成のための実践的なガイドとなります。これらの例を参考に、ぜひご自身のアイデアを形にしてみてください。

5. まとめ

OpenAIの最新モデルGPT-4oは、テキスト、音声、画像を統合的に扱う能力を備え、特にその画像生成機能は目覚ましい進化を遂げています。ChatGPTという身近なインターフェースを通じて、ユーザーは自然な対話形式で、高品質かつ多様なスタイルの画像を生成できるようになりました。

日本国内においては、この機能はすでに多様な形で活用されています。SNSでの個性的なアイコンやヘッダー画像の作成。ブログのアイキャッチやビジネス資料用のカスタムイラスト制作 、さらには日本の文化や美意識を探求するクリエイティブな試み, まで、その応用範囲は広がり続けています。特に、無料で利用できる可能性 と、日本で人気の高いアニメ風イラストを手軽に生成できる点が、多くのユーザーの関心を集める要因となっています。

GPT-4oの画像生成機能は、専門的な知識や高価なソフトウェアがなくとも、誰もがアイデアを視覚化し、創造性を発揮できる可能性を秘めています。プロンプトの工夫次第で、その表現力はさらに広がります。この記事で紹介した使い方や事例を参考に、ぜひGPT-4oによる画像生成を体験してみてください。AIによる画像生成技術は今後も進化を続けると考えられ、私たちのコミュニケーションやコンテンツ制作にさらなる変革をもたらすことが期待されます。

6. 参考文献

OpenAI Spring Update - OpenAI

Exploring GPT-4o: OpenAI’s new flagship model - OpenAI -

DALL·E 3 is now available in ChatGPT Plus and Enterprise - OpenAI -

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