レポート

2025.04.24(木) 公開

LLMシステムの基礎と活用シーン

システムに組み込めるって本当?

「AIがあんなに賢いなら、私のシステムにも組み込めたら便利だろうな」と思ったことはありませんか?実は、それは可能なのです!

LLMをシステムに組み込む方法として、最も一般的なのがAPI(Application Programming Interface)を利用する方法です。APIを使えば、ChatGPTなどの高性能なLLMの能力を、自社のシステムやアプリケーションに簡単に統合できます。

3.1. APIって何だろう?

APIとは、異なるソフトウェア同士が通信するための仕組みです。たとえば、あなたのアプリケーションがOpenAIのサーバー上で動いているChatGPTの機能を使いたいとき、APIを通じてリクエストを送ります。ChatGPTはそのリクエストを処理し、結果をあなたのアプリケーションに返します。

簡単に例えると、レストランでの注文のようなものです:

  • お客さん(あなたのアプリ)がウェイター(API)に注文(リクエスト)を伝える
  • ウェイターがキッチン(LLMサーバー)に注文を伝える
  • シェフ(LLM)が料理(回答)を作る
  • ウェイターが料理をお客さんに届ける

3.2. なぜAPIを使うの?

LLMのAPIを使うメリットは数多くあります:

  • 専門知識不要:
    深層学習や自然言語処理の専門知識がなくても、高度なAI機能を利用できます
  • インフラコスト削減:
    膨大な計算リソースが必要なLLMをクラウド上で利用できるため、自社でサーバーを用意する必要がありません
  • 最新モデルへのアクセス:
    APIプロバイダーが定期的にモデルを更新するため、常に最新の技術を利用できます
  • 柔軟な拡張性:
    需要に応じてAPIの利用量を調整できます

3.3. シンプルなAPI呼び出し例

Pythonを使って、ChatGPT APIを呼び出す基本的なコード例を見てみましょう:


# ChatGPT APIの基本的な使い方
import openai

# API設定
client = openai.OpenAI(api_key="あなたのAPIキー")  # 実際のキーに置き換えてください!

def ask_chatgpt(query):
    try:
        response = client.chat.completions.create(
            model="gpt-4o",
            messages=[
                {"role": "system", "content": "あなたは親切なアシスタントです。"},
                {"role": "user", "content": query}
            ]
        )
        return response.choices[0].message.content
    except Exception as e:
        return f"エラーが発生しました: {str(e)}"

# 使用例
query = "AIとは何ですか?"
print(ask_chatgpt(query))
              

このコードでは:

  • OpenAIのライブラリをインポート
  • APIキーを設定(実際の利用時は環境変数などで安全に管理してください)
  • ChatGPTに質問を送信する関数を定義
  • レスポンスを取得して表示

という流れでChatGPTの機能を利用しています。

3.4. こんなシステムが作れる!

ChatGPT APIを活用したシステム例をいくつかご紹介します:

  • カスタマーサポートチャットボット

    顧客からの問い合わせに24時間対応するチャットボットを作成できます。ChatGPTを使えば、単純な返答だけでなく、文脈を理解した自然な会話が可能になります。さらに、自社の製品情報や過去のFAQなどを学習させることで、より的確な回答ができるようになります。

  • 自動文書要約システム

    長い文章を短く要約するシステムも作れます。例えば、会議の議事録、研究論文、ニュース記事などを自動で要約し、重要なポイントだけをピックアップできます。

  • 多言語対応Webサイト

    Webサイトの内容を自動で複数言語に翻訳するシステムも構築可能です。ChatGPTは文脈を理解した自然な翻訳ができるため、単純な機械翻訳よりも高品質な多言語コンテンツを提供できます。

  • パーソナライズドコンテンツ生成

    ユーザーの好みや過去の行動データをもとに、パーソナライズされたコンテンツを自動生成するシステムも作れます。例えば、Eコマースサイトで、顧客の購入履歴に基づいたパーソナライズされた商品レコメンデーションを生成できます。

この記事の著者

レポート NOB DATA株式会社

フルスタックエンジニア

岡田 大作

20年近いWeb開発経験を持つフルスタックエンジニア。バックエンドからフロントエンドまで幅広い技術領域に精通。メガベンチャーや大手通信キャリアにて多数のプロジェクトに携わる。近年は、大規模言語モデル(LLM)をはじめとするAI技術を活用した事業開発に注力している。

「ChatGPT導入・活用支援」はNOB DATAにご相談ください

ChatGPTの導入・活用に課題を感じていませんか?
NOB DATAでは、ChatGPT開発およびデータ分析・AI開発のプロフェッショナルが、多種多様な業界・課題解決に取り組んだ実績を踏まえ、ChatGPTの導入・活用を支援しています。社員向けのChatGPT研修も実施しており、お気軽にお問い合わせください。

ChatGPT導入・活用支援の詳細を見る