新年のご挨拶と生成AI時代の個人的展望について

お知らせ 2025年1月11日

明けましておめでとうございます。
NOB DATA代表の大城です。
本年もどうぞよろしくお願いします。

2024年を振り返ると、「生成AI」の進化がまさに注目の一年でした。
今回は、生成AIがもたらす未来や、企業経営における可能性について、私の考えを少しお話しさせていただきます(長文となりますがどうぞよろしければお付き合いください)。

 

生成AIの進化:たった2年で「10年分」の進歩

ChatGPT-3.5が登場した2022年末、生成AIは「遊びのツール」というイメージが強かったと記憶しています。
しかし、わずか2年で状況は一変しました。

最新モデルの「ChatGPT-o3」では数学やプログラミングなど特定の分野では人間のトップクラスの人材をも超える性能が発揮され、
またChatGPT-4o(オムニ)では、
「人間のように流暢に会話」をし「感情表現や多言語翻訳も自由自在」、
さらには画像認識技術・動画認識技術の向上により
「こちらのPC操作や外部の風景をリアルタイムに認識しながらアドバイス」
なども可能となりました。

その結果、目が見えない方のアシストツールとして、外部の環境の情報をAIが動画で認識し、音声で逐一報告する、という使い方も実験としては行われるようになってきました。

現状は「たった2年で、少なくとも10年分の技術的な進化が起きている」状況です。
「生成AIは使えない」と言っていた時代は既に終了し、さらに今後数年で「劇的な進化」を遂げる可能性があります。

 

人口減少時代における生成AIの可能性

急速な技術的進化により賛否両論ある生成AI技術ですが、これらの生成AI技術を正しく使えば、今後30年以上は続く日本の人口減少の局面において今後出てくる様々な課題に対する一つの切り札になりうる、と私は考えています(なお、2024年での日本での出生数は68.5万人であり、40年前の149万人から半減、という状況です)。

人手が足りなくなる局面では同レベルのサービスを提供するためには「生産性の向上」、端的には「一人で現在の2倍のアウトプットを出す組織作り」が必要となりますが、生成AIが普及しつつある現在、例えば以下のような選択肢を選ぶことが可能となりました。
・生成AIをアシスタントとして利用し、仕事の5合目からスタートする
・生成AIを優秀な家庭教師・メンターとして社員教育・リスキリングに活用
・画像・動画認識の機能を活用した、モニタリング業務の省人化
・音声対話を使った自動応対サービスや多言語対応
・企画アイディア壁打ち、DXのシステム導入のセカンドオピニオン、など

知的労働分野においては、現時点〜数年の間に、かなりの範囲の業務効率化が可能となる見込みです(肉体労働に関しては残念ながら、汎用ロボット技術の進化を待つ必要はあります)。

 

技術革新と企業の生き残り

一方で、生成AIに限った話ではありませんが、産業革命やスマートフォンの発明など、技術的なイノベーションの発生前後では多くの企業の淘汰と新たな業種の誕生という新陳代謝が起きています。

従来であれば10年〜20年スパンで備えればよかったイノベーションへの対応ですが、今回はかなりの確率で「今後数年間」の間で大幅な変化が起きうる、と私は考えています(数年でAGI・汎用人工知能の完成、10年単位でASI・スーパー人工知能の完成の可能性すらありうる)。

このような局面においては、企業経営者は以前の外部環境を前提としたシナリオだけでなく、ある種突飛とも言える複数のシナリオを考える必要があります。

例えば
・現状の生成AIの8-9割の文字認識精度が99%を超えたらどうなるか
・現状の生成AIの1-2割「ウソ」をつく問題が、ほぼ解決したらどうなるか
の1つのお題を取ったとしても、かなり大きなビジネス的な変化が発生します。

文字認識精度が上がれば、例えば文字起こしのアウトソーシングのビジネス領域自体がAIで代替可能となります。

また、ほぼウソをつかないAIが出れば分析レポートの自動生成やデジタル広告の自動運用、採用時の多角評価や社員の評価の自動化、監視業務の自動化、なども視野に入ってきます。

生成AI登場以前なら10年・20年後の未来の話、で済んだトピックですが、
企業としては今後数年でこれらの「ある種のリスクとチャンス」に本気で備える必要があると考えています。

 

DXS人材とデータ活用が未来を切り開く

生成AI時代に対応するためにはいくつかの重要な要素がありますが、特に「AIを使いこなし、未来のビジネスを描く人材」と「AIの判断材料となるデータの整備・蓄積」は必須となってきます。

現在の生成AIは主に「Web上のあらゆる情報」を学習している最中ですが、「個々の企業の詳細な内部データ」については学習できていません。
また、アナログな業務領域ではあまりその真価を発揮できないため、企業のデジタル化や業務プロセスの整理、といったDXに向けた取り組みを推進する人材も必要となります。
ただ、東京の一部の企業を除いて、データや生成AIに精通した人材はまだまだ数が少ないのが現状だと感じています。

NOB DATAではこれらの技術を人口減少という社会課題の解決に活かすべく、
本業のデータサイエンスと生成AI活用のノウハウを、できる限り多くの企業の
皆様にご共有し、また生成AI時代に各社を牽引するリーダー・DXS(デラックススター)人材の育成のご支援ができれば、と思っております。

 

未来への展望

航空、原子力、インターネット、そして生成AI。

新技術はその使い方一つで世の中を良くもすれば、悪くもしますが、正しい道に用い、DXS(デラックススター)人材を多数輩出できる企業が増えた先には、「一種のユートピア」的な時代が来る可能性もある、とも私は考えています。

少なくともこれまで不可能だと諦めていた「個々人が実現したいこと」については生成AIの力を借りれば、現状でも「頭の中にある世界」を一部実現することが可能になっています( 文章生成やプログラム言語生成はもとより、画像生成、音楽生成、動画生成、ゲーム生成、など)。

言わば生成AIを社員とした「1億総プロデューサー」時代、でしょうか。
もちろん、私たちの周りにはまだまだ多くの未解決な課題が多数存在します。
DSX人材が新たな技術で自社の課題を解決した後は、他の企業や地元の課題など、
企業の垣根を越えた技術・人材の交流と、コラボレーションができる「ワクワクできる未来」を皆様と一緒に目指していきたい、と思います。

長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
2025年もどうぞよろしくお願いいたします。

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NOB DATA株式会社
代表取締役社長 大城 信晃 (Nobuaki Oshiro)
〒812-0013
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