レポート

2024.12.19(木) 公開

営業におけるデータ分析

営業チームのパフォーマンスを評価する〜営業パフォーマンス分析〜

1. 概要

営業パフォーマンス分析とは、営業チームの活動や成果を定量的に評価し、改善点を特定する手法です。具体的には、売上高、成約率、訪問数などの指標を用いて、営業プロセス全体を分析します。この分析により、各営業担当者の強みや弱みを把握し、リソースの最適な配分やトレーニングの必要性を判断できます。この記事では、データ分析ツールを活用した営業パフォーマンスの具体的な評価方法と、その結果に基づく改善策の提案を行います。

2. 具体的な例

営業パフォーマンス分析を行う際には、まず対象となる営業活動に関連するデータを収集します。これには、営業担当者ごとの売上、成約率、訪問回数、商談の進捗状況などが含まれます。次に、このデータを整理し、重要な指標を選定します。選定された指標を基に、各営業担当者やチーム全体のパフォーマンスを定量的に評価します。

次に、評価結果を分析し、パフォーマンスが高い要因や低い要因を特定します。例えば、成約率が高い担当者と低い担当者の活動を比較することで、成功要因や改善点を明らかにします。この際、データの可視化ツールを活用して、分かりやすく分析結果を表示することが推奨されます。

最後に、分析結果に基づいて改善策を立案します。これには、トレーニングの実施、営業プロセスの見直し、特定の市場セグメントに対する戦略の調整などが含まれます。改善策を実施後、再度パフォーマンスを評価し、継続的な改善を図ることが重要です。

以下に営業パフォーマンス分析を実行するためのサンプルデータを準備しました。このデータは、各営業担当者のパフォーマンスに関する情報を含んでおり、「営業担当ID」、「成約件数」、「失注件数」、「総商談金額」、「成約金額」、「顧客満足度」の各列が含まれています。このデータを用いて、営業活動の成果を定量的に評価し、改善点を特定するための分析を行うことが可能です。

(csvデータのダウンロードリンク)

レポート NOB DATA株式会社 図12 データのイメージ

これらの情報を基に、ChatGPTを用いて営業パフォーマンス分析を実行します。
以下に、営業パフォーマンス分析の実行例を示します。

プロンプト例:

営業パフォーマンス分析を行い、成約件数、成約率、成約金額の分析結果を示してください。各営業担当者の強みと改善点を明確にし、その結果を営業活動にどのように活用できるか提案してください。また、分析手法と定量的な結果も併せて表示してください。

ChatGPTからの回答例:

レポート NOB DATA株式会社

データを基に、以下の分析を行いました。

分析手法:

  • データは各営業担当者の成約件数、成約率、成約金額の分布を基にしました。

  • • 定量的な指標には、成約件数、成約率、成約金額の平均、中央値、標準偏差、最大・最小値を計算して使用しました。

図13:成約件数と成約金額の定量的な結果

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成約件数と成約金額の定量的な結果:

  • 成約件数の平均は15件で、最も多い営業担当者は21件、最も少ない営業担当者は9件でした。

  • 成約率の平均は65.9%で、最も高い営業担当者は91.3%、最も低い営業担当者は40.9%でした。

  • 成約金額の平均は8,254万円で、最大は12,800万円、最小は4,500万円でした。

これにより、各担当者のパフォーマンスを明確にし、改善点を基に戦略的な営業活動の調整が可能となります。

各営業担当者の強みと改善点:

1. 強み

  • 高成約率: 成約率が75%以上の営業担当者は、高い交渉力や顧客ニーズに合致する商談ができている可能性が高いです。このグループに属する営業担当者は、成功している要因を他のメンバーと共有し、全体の成約率向上に貢献できます。

  • 高成約件数: 成約件数が平均以上(16件以上)の営業担当者は、数多くの商談をこなしており、その中でも成約に結びつける能力が優れています。この経験を活かして、他の営業担当者に対して商談数を増やすための戦略を伝えることができます。

2. 改善点

  • 低成約率: 成約率が50%未満の営業担当者は、商談の質や顧客へのアプローチに問題がある可能性があります。顧客のニーズを正確に把握し、提案内容を見直すことで成約率の改善が期待されます。

  • 低成約金額: 成約金額が6,500万円未満の担当者は、高額案件の獲得や価格交渉力の向上が課題です。単に件数を増やすのではなく、単価の高い案件にフォーカスするように営業戦略を調整する必要があります。

提案:

  • トップパフォーマーの成功事例を共有: 高成約率の営業担当者が行っている商談プロセスや顧客へのアプローチ方法を共有し、他の担当者に適用できるか検討する。

  • 成約率の低い営業担当者に対するトレーニング: 成約率の低い営業担当者には、顧客ニーズのヒアリング力や提案力を強化するためのトレーニングを提供する。

  • 高単価案件の戦略見直し: 成約金額の低い担当者には、高単価案件にアプローチするための市場分析や提案内容の強化を提案します。

これにより、各担当者のパフォーマンスを明確にし、改善点を基に戦略的な営業活動の調整が可能となります。

この記事の著者

レポート NOB DATA株式会社

データサイエンティスト

市川 太祐

医師・医学博士。名古屋市立大学客員准教授。データサイエンティスト。データを用いた意思決定に長年取り組む。予防医療から電子カルテデータ、ライフログデータまで幅広い分析経験を持つ。「R言語徹底解説」(共立出版)、「データ分析プロジェクトの手引き」 (共立出版)等、データ分析関連の著書・訳書多数。

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